
10月18日(土) 曇り時々晴れ 21390歩
昨日の宿泊客は20名ほどの団体客と登山客が5名だ。この団体客の一部が至仏山登山を目指すために朝5時に出発するということで,朝早くから準備するために部屋の前を行き来していたので,起きようと思っていた頃には自然に目が覚めた。その前に一度起きて空の様子を確認に行った時は,風は強かったが上空は満天の星が煌めいていた。しかし,この風が収まらないことには霜がおりることはないだろうな・・・。

この時間になっても夜半に吹いていた強い風が収まることはなく,その上,一面の雲が上空を覆い条件的にはかなり良くないようだったが,貴重な朝の撮影のチャンスである。取り敢えず前夜に用意した荷物だけ持って小屋を後にする。すると東の空の一部の雲の切れ間から朝の光が漏れ出し,尾瀬ヶ原を薄く覆っていた雲を赤く赤く染め上げ始めた。徐々に空の隙間は多くなり,いい具合に残っていた雲がだんだん広範囲にわたって茜色に染まっていく。始めは燧ヶ岳付近だけであったが,それが景鶴山付近,そして至仏山へと伸び,空一面がバラ色の雲に覆われた。急いでカメラを替え,レンズを替え,ここが今日の一番の撮影ポイントと思い,慌ただしく撮影する。あっという間にその夢のような時間は終焉を迎えた。その間,僅か1~2分。本当に一期一会。貴重な瞬間に立ち会うことが出来た。その後は,雲が優勢となり,どんよりとした曇り空となってしまったので,小屋に戻ってゆっくりと朝食をとった。良い条件で撮影できた後の温かい朝食は格別である。

その後,荷物を纏めて出発準備をしていると徐々に天候が回復してきた。今日は午後から天候が崩れる予報だったが,午前中は何とかもちそうだ。いずれにしても紅葉狩りの観光客で賑わう奥日光を越えて帰宅する事を考えると,早く尾瀬を出発してもこの混雑に巻き込まれてしまうのは明らかなので,尾瀬でゆっくり撮影してから,帰り道にある温泉に浸かったりしてゆっくりと帰ろうと思っていたので昼頃に鳩待峠に着ければいいと考えていた。

小屋主さんに今年最後の挨拶をして小屋を後にする。その後も青空は徐々に勢力を拡大していったので途中で何度か空撮も試みた。昨日とは違って,秋らしい雲も少し出ているので,今日の方が少しは絵になるかな・・・。ただ,今日は土曜日。次から次へと人がやってくる。紅葉もピークの週末とあっては,やはり人出も多くのんびりと撮影しているわけにもいかない。そんな時,ふと顔を上げると目の前にたもあみさん(山口修也さん)夫妻が微笑んでいた。昨年の写真展以来である。
広い木道に移動して,暫く山小屋でいっしょになることもなかったので,長い時間立ち話をして別れた。

次々と現れる観光客の混雑に閉口して早めに山の鼻を出発する。これだけ人が多いとクマも出てこないだろうから,その心配をしなくていいのは助かる。やはり久しぶりの尾瀬歩きとあって,重い荷物を背負っての登りはかなりこたえる。時間をかけてなんとか鳩待峠に着いた。
荷物を下ろしてからタクシーの切符を買おうとすると,はとまちベースにはタクシー^の乗車券を求める10人ぐらいの行列が出来ていた。たった1台の券売機で購入する形だが,なかなか進まず時間ばかりかかる。見かねたLUCYの職員がはとまちベースの売店で手作業で販売を始めた。さらに,ベース内をいろいろ見て歩いて驚いたのは,ゆばのあんかけ蕎麦が1880円(卵を落とすと2000円超),そして,ショップ内の会計は全てキャッシュレスのみだったことだ。今までは価格もリーズナブルだったし,カードでもキャッシュでも買い物ができたから,登山後に気楽に買物ができたけれど,こんな山の中でキャッシュレスのみなんて不便極まりない。山の中で高級リゾート地感覚で運営されても困るんだよねぇ・・・。建物は以前よりも立派になったけれど使う側のニーズや利便性は無視され,運営する企業側の都合ばかり押しつけている感じが強くした。今まで同様登山者の必要な物を求めやすい価格で提供する登山者目線の親しみやすい施設を期待したのに残念なことである。また,古き良き尾瀬のいいものがまた一つ失われた気がした。
*空撮にあたっては,DIPS2.0での各種登録,関係機関への連絡・調整済みです。
この記事へのコメント
jetstream
最後のご意見、共感です。キャシュレスのみ、値段は高い・・・客目線がない、こんなところが増えますね。
てばまる
やはり1週間前の紅葉がピークでしたね。私の時はもうほとんど傷んでましたし落葉でした。そして雨にも降られるという雨男ぶりは健在・・・