■緑色の風に乗って(1)

■6月5日(水) くもりのち晴れ  ここ数年残雪期の尾瀬を歩けていない。写真展も3月に終えることができたし,今年こそはと思っていた。 しかし,今年の尾瀬も例に漏れず少雪だ。尚更早く尾瀬の地に足を踏み入れたいと気持ちは焦る・・・。しかし,いろいろと天候待ちしていると,日頃の運動不足や,長年の山歩きの影響もあって脚のあちこちが痛み出した。今年,尾瀬を訪れるのは無理かなと半ば諦めた気持ちになっていたが,温かくなるにつれ,脚の状態も少しずつ良くなってきたので足慣らしを兼ねて梅雨入り前に尾瀬を歩くことにした。 【新緑に包まれた森。梅雨前の好天に新緑が一層輝きます】  いくつか山小屋に電話をして東電小屋を予約し,戸倉を目指す。  途中の戦場ケ原の道路の周囲は満開のズミが咲き誇り,ズミのトンネルを走り抜けるのは実に爽快だった。きっと尾瀬のズミも見頃を迎えているのかも知れないと期待は膨らむ。 【オオカメノキ】 【ウワミズザクラ】  鳩待峠から見る至仏山の残雪はほとんど消え,休憩所と鳩待山荘の工事も着々と進んでいた。ベンチは平日にも関わらずたくさんの人で溢れかえっていたので賑やかな鳩待峠を後にして,新緑の森を進むと森の中には賑やかな小鳥の囀りやハルゼミの声が響き渡っていた。  シラネアオイやすっかり大きくなったミズバショウが季節の進行を物語っていた。山の鼻も多くの人でごった返していたので,直ぐに研究見本園に向かう。時期的にそろそろミツガシワが咲く頃なので確認す…

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■「尾瀬夢幻」写真展 Ver.1.2 宇都宮展 全日程終了。

【栃木県総合文化センター外観と周囲の町並み】 【第1ギャラリー 会場の様子】  3/1(金)~3/10(日)の9日間にわたって,宇都宮市の栃木県総合文化センターで行っていた写真展が無事終了しました。  天候は気温が低く雪が降ったり,風が強かったりすることがあったけれど,概ね好天に恵まれ,多くの方が来場してくださいました。東京,高崎展に続いて3回連続で来場してくださった方,前回は遠かったので今回の開催を楽しみにしていたとおっしゃる方もいらっしゃってとても嬉しかったです。 【尾瀬仲間から・・・ いつもありがとうございます。】  栃木県では東京や高崎に比べて尾瀬への思い入れはそれほど深くないように思っていたので,どれくらい来てくださるか正直不安でした。しかし,知人が友人に声をかけてくれたり,新聞やテレビ番組で紹介して頂いたりしたおかげで,多くの皆様がわざわざこの写真展のために足を運んでくださいました。それと,尾瀬仲間が遠路,会場までお祝いに来てくれたこともとても嬉しかった事の一つです。ありがとうございました。身に余る温かい御言葉をたくさん頂戴したり,新たに顔見知りになった方も増えました。これこそ写真展の醍醐味であり,開催して良かったなと思いました。  忙しさに取り紛れ,行き届かない点もあったかと思いますが,何卒,御容赦いただきますようお願い申し上げます。また,これからも今回得た貴重な御意見を糧として,新たな作品づくりに励んで…

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有馬雅美写真展「尾瀬夢幻 Ver.1.2」(宇都宮巡回展)の御案内

 有馬雅美写真展「尾瀬夢幻 Ver.1.2 ~水が織りなす美しき世界~」を以下の日程で開催いたします。  この写真展は,'23.1.27-2.2「富士フイルムフォトサロン 東京」で,また,'23.4.21-4.26「高崎シティギャラリー」で開催した写真展で展示した作品に,新たに8点ほど追加・入れ替えを行い,合計59点の作品を展示する予定です。  お忙しいことと存じますが,是非とも御高覧を賜りますよう,謹んでお願い申し上げます。皆様のお越しを心よりお待ちしております。 【日 時】2024年3月2日(土)~3月10日(日) 10:00~18:00     ( 最終日は16:00まで,入館は終了10分前まで ) 【場 所】栃木県総合文化センター 第1ギャラリー     ( JR宇都宮駅バスで「県庁前」下車・徒歩3分,東武宇都宮駅から徒歩10分 ) 【作 品】B0/全倍/全紙,カラー,59点 【入場料】無料 ■栃木県総合文化センターでの写真展(今回)のお知らせ http://www.arima.jp/new/utsunomiya.pdf ■フジフイルムスクエア公式サイト https://fujifilmsquare.jp/exhibition/230127_02.html ■写真集「尾瀬夢幻 ~水が織りなす美しき世界~」(日本写真企画) 先行販売中 http://www.arima.jp/syashinsyu.htm 【ISBN】978-4-86562-…

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2024年 明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。 昨年はSNSだけでなく,写真展開催の際には多くの方にお越しいただき大変ありがたかったです。 今年も3月に栃木県で,作品を数点入れ替えて写真展を行いますので,是非お越しくださいますようお願い申し上げます。 詳しいことは改めてお知らせいたします。 本年もまた宜しくお願いいたします。 この写真を選んだのは,拠水林の川の流れが今年の干支「龍」のようで, しかも,燧ヶ岳から昇るダイヤモンド燧ヶ岳の太陽が龍の持つ「玉」のようだったからです。

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■初雪と晩秋の尾瀬[3]

【なかなかスッキリしない天候でしたが,徐々に陽が射す展開に・・・】 □10月23日(月)晴れのち曇り 25,232歩  山に入り3日目にもなると,よほど体が疲れている時は別だが,目覚ましを掛けなくても起きたい時間に自然に目が覚めるようになる。5時に目が覚め,部屋から尾瀬ヶ原を望むと,分厚い雲が尾瀬ヶ原に蓋をしていた。霜も霧もなくひっそりとした朝だった。これでは,イマイチやる気が起きず,そのままもう一度,布団の中に潜り込んだ。 【待っていた一瞬。スポットライトと背景の影の具合が思い通りになってくれました】  布団の中で少し微睡んでから洗面所に向かおうとすると何と目の前にKさんがいた。先週,尾瀬沼でもお目にかかったばかりだが,今回は,見晴休憩所やトイレ等の施設の閉所作業で来ているということだった。夕食の時,明らかに登山者とは違う10人ぐらいの団体がおり,その中にKさんもいたようだが気付かなかった。先週の御礼と挨拶をしてから,燧小屋を後にした。 【紅葉の森の奥に僅かに顔を見せる雪を纏った景鶴山】  天気予報では,昼頃には晴れになるが一日曇りの予報となっていた。どん曇りならそのまま真っ直ぐ帰るつもりでいたが,湿原に出る頃には北側の山並みにスポットライトが当たるフォトジェニックな状況になっていた。何枚か写真を撮った後,予定を東電小屋経由に変え,赤田代方面に向かった。その後も,薄い雲の間から青い空が見え隠れしていたので,ひょっとすると意外に早く天候が回復するかも…

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