■初雪と晩秋の尾瀬[2]

【長沢入り口付近。降ったばかりの雪が一面に付着して神々しい感じがします】 □10月22日(日)雪のち快晴 27,536歩  初雪なのでそれほど積雪することはないのかなと思っていたが,部屋の窓を開け確認すると予想以上の積雪だ。5cm程度はあったろう。早速,カメラを持ち出して辺りを撮影する。当初の予報では明け方までに雪は止み午前中に晴れる予報なのだが,朝になっても激しく雪が舞っていた。朝陽に輝く新雪の尾瀬を空撮したかったが今回はお預けとなった。樹木にもたくさん着雪があったが,踏み締める雪は大量に水分を含んだ湿雪で重そうな雪だった。降っている傍から,樹木に付いた雪がどんどん落ちていく。小屋の周辺を撮影してから朝食にした。 【雪は降り続いているものの,薄い雲の切れ間から光が漏れる時も・・・】  今回は昼弁当を頼んでおいて,それを朝食にするつもりでいたが,急遽無理を言って朝食を追加する形となったが,快く応じて頂いたので温かい朝食を三人で戴くことが出来た。外の様子が劇的に変化する様子ではなさそうなので,朝食も比較的ゆっくりととることができた。着替え等の荷物は小屋に預け,撮影機材をリュックに詰め,小屋周辺から撮影することにした。相変わらず細雪が降り続けているが,雲の薄い部分が明るく輝く。 【湿雪なので降雪中も積雪は時間と共に徐々に溶け出していきます】  雪が止むのを待って空撮をしたかったが,なかなか雪は止むことは無く,ジリジリと気持ちばかりが焦る中,気温も上昇。樹氷の…

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■初雪と晩秋の尾瀬[1]

【雨の中を在るよく覚悟できたのですが,晴れてくれたので助かりました】 □10月21日(土)[午前]曇り時々晴れ,[午後]雨のち雪 17,670歩  先週末,好天の下,黄葉と紅葉に包まれた綺麗な尾瀬を堪能したものの,本格的な紅葉には早かったしドローンによる空撮も出来なかったことから,紅葉が綺麗なうちにもう一度,尾瀬を訪れたいと思っていた。そこに,週末には寒波が訪れて北関東北部の山岳地では降雪があるとの天気予報がもたらされた。しかも翌日の予報も悪くない。山小屋が営業している期間中に尾瀬に雪が降ったのは10年以上経験がない。週末で混雑するかも知れないが,千載一遇のチャンスとばかりに山小屋に予約を入れた。 【今週末ぐらいまで持つと思ったのですが・・・ 見頃は数日前のようです】  降雪直後となる日曜日に入山し,翌日に残雪の尾瀬を撮影するつもりでいたが,土曜日の雪の降り方次第では,津奈木~鳩待峠間の車道が通行止めにならないとは限らない。尾瀬仲間も久しぶりに入山するということだったので,一日早く入山して待機することにした。しかし,太平洋側の気候の日光は好天で,朝早くから紅葉見物の観光客で渋滞するのは確実。渋滞前に日光を通過したいと考えて,いつもと変わらない時間に家を出た。予想通り日光は混雑していたが,何とか渋滞からは逃れることが出来た。あとは今日中に山小屋に着けばいい。 【テンマ沢付近の紅葉。この辺りはちょうど良い感じでした】  第一駐車場でタクシーを待っていると何と…

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■錦秋の尾瀬に霜が降る[3]

【一面真っ白な大霜の朝。モノトーンの世界に赤い火が灯る・・・】 □10月14日(土)晴れ 23,888歩  今朝の好天は部屋の冷え切った空気からも容易に想像できた。今朝も食事は涙をのんで朝弁当にしておいたので,心ゆくまで撮影に専念しよう・・・。小屋を出たのは5時20分を過ぎていた。まだ辺りは暗く,薄明の空にはいくつかの星が瞬いている。三脚なしで撮影できる状態ではないので先を急ぐ。湿原はもちろん拠水林の樹木の先端にまではっきりとした霜が付いている。これは紛れもない大霜だ。深く感謝・・・。シカ柵も漸く除去されたので撮影候補地は増えたが,思い悩んだ末ヨッピ橋方面に向かった。 【太陽の光は湿原を照らし,凍り付いた世界を一瞬にして溶かし始める】  朝靄がそれほど出ていない分,冷え込みも昨日以上だ。逆に冷え込みが厳しいから朝靄が湧かないのか,その因果関係はちょっと分からないのだが・・・。(^^ゞ 今朝の気温は昨日よりも更に冷えて-5℃。枯葉に付いた霜も冷やしすぎの冷凍庫についた霜のようにバリバリに尖っている。周りをぐるり見渡せばうっすらと雪が積もったかのように真っ白な光景が広がる。夜明け前の青い光が荘厳な雰囲気を醸し出す。 【大霜ならでは。湿原の木々や小さな草の先端までとげとげの霜でびっしり】  やがて,東と南の空に浮かんでいた僅かな雲が,茜色に染まる。それは,時間とともにその濃さを増し,いつしか至仏山頂を照らし始める。至仏山頂に灯った光はなだらかな斜面を駆け下りて…

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■錦秋の尾瀬に霜が降る[2]

【まだ水温が高い尾瀬沼から立ち上がる朝靄の中を優雅に泳ぐカモ】 □10月13日(金)晴れ 27,255歩  撮影地が目と鼻の先にある長蔵小屋は,そんなに早く起きる必要は無いのだけれど,早々に目が覚めてしまったので撮影の準備を済ませて薄暗い小屋の外に出た。空気はヒンヤリと冷え,ビーナスの帯が空と尾瀬沼の水面を華やかな色に染めていた。沼からはもうもうと朝靄が漂う中を多くの水鳥が餌を啄んでいた。元長蔵小屋のテラスで明るくなるのを待っているとカメラを持った人たちが次々とやってきた。 【雲の切れ間から朝日が射し込んだらしく赤い光は帯状になっていた】  朝靄に包まれた尾瀬沼の幻想的な光景も暫く見ていたかったが,湿原の様子も気になって大江湿原に移動する。高い樹木の先まで真っ白になる所謂大霜と言えるほどではないが,相当広範囲にわたって霜が降り,赤茶色の草紅葉に染まっていた大江湿原は,まるで雪が降ったかのように真っ白になっていた。木道にも霜が降り滑りやすいので注意しないと・・・。 【朝靄のベールに包まれたダケカンバ黄葉】  周りを小高い山に囲まれた盆地のような大江湿原は,日が射し込む時間が遅く,この時期はちょうど朝食の時刻と重なる。寒い朝の暖かい朝食は魅力的だが,泣く泣く朝弁当を頼んでおいた。朝食の時間になり湿原を行き来する人は燧ヶ岳に向かう登山者ぐらいとなり,より撮影に集中できる。 【僅かな霜が紅葉した小灌木の葉っぱを繊細に縁取る】  湿原全体がフリーザ…

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■錦秋の尾瀬に霜が降る[1]

【いよいよ始まりました本格的な黄葉が・・・】 □10月12日(木)晴れ 22,738歩  例年だと日光や尾瀬の紅葉の見頃は10月の体育の日前後と相場が決まっていた。しかし,毎年気温が不安定で紅葉前線を予想するのが難しくなっている。特に今年は,かつてないほどの異常な夏だったので尚更だ。「温暖化が進むと温度変化が急激で秋や春が短くなる」とテレビ番組で聞いたことがある。今年はまさしくそれだ。あんなに暑かったのが嘘のように10月6日燧ヶ岳や至仏山などが突然初冠雪した。 【写真に撮ると,見た目以上に黄色が強調されます】  そうなると通常は草紅葉からじっくりと周辺の山々に紅葉の主役が移っていくのだが,一気に冷えると色付きが良くないばかりか,余り急激に冷え込むと紅葉する前に一気に枯れて落葉したり,色付きが悪くなってしまう。この雪が,そして急激な低温が今年の紅葉にどのような影響を与えるのだろう・・・。 【透過光越しに見る紅葉も綺麗ですね】  戸倉のバス停から大清水行きのバスに乗る。ここ数日,尾瀬は余り天候が良くなかったし,久しぶりに晴れが連続するとあって第1駐車場は既に多くの車で埋まっていた。戸倉についたバスからほとんどの乗客が降り,大清水に向かう車内に残ったのは僅か5・6名。秋の日差しが射し込む車内から外の様子をぼんやり眺めると片品川沿いの山々は,まだ紅葉には早い感じであった。大清水で一息つく暇もなく降車すると,一之瀬に向かうシャトルバスが準備を整えて待っていた。乗り…

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